おいしい肉を食べたくて買ったけど、焼いたらパサパサで硬い。せっかく買った肉なのにまずくなった・・という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回はどうすれば肉をおいしく食べられるかご紹介します。
なんで肉を焼くの?
肉を焼くという行為は殺菌とうまみ成分(主にメイラード反応とカラメル反応)の促進です。
安心と美味しさを手に入れる。これに尽きます。
肉を焼いて殺菌するのは良いのですが、硬くてパサついた経験はありませんか?
なぜ肉は硬くなるのか。
これは肉全般にいえる課題ですね・・・
肉の専門家「松浦達也さん」の著書「大人の肉ドリル」を参考に進めていきます。
超ざっくり言うと、肉は60℃を超えたあたりで水分が絞り出されてかたくなるということだ。75℃まで温度を上げてしまうと、悲しいことに肉汁はほぼ肉の外へと流出してしまう。
松浦達也:大人の肉ドリル pp13-14
ほうほう、肉の加熱温度が高くなるほどに肉から水分が抜けてパサついてくるということですね。
加熱によって、肉のタンパク質が収縮し、肉汁が外に逃げていくという感じ。
「肉汁」に正しい定義はないが、一般に肉の内部の水分と脂分が液状化したものとされる。肉汁が欲しいなら内部温度を60℃台にとどめなければならない。
松浦達也:大人の肉ドリル p14
「肉汁」っていい響きですよね・・笑
肉を食べたときのジュワッとした感覚を思い出します。
なぜ肉は硬くなるのか?
過剰な加熱により、タンパク質が凝固することで肉汁が流出するから。
加熱温度、加熱時間
「肉の温度を過剰に上げない方が肉汁を流出させずにおいしくなる」ということがわかりました。
ただ、私は昔から「豚肉は火をしっかり通せ」と言われて育ってきたので、60℃台なんて考えられません。
豚肉ってしっかり火を通さないと寄生虫とか細菌とか危ないのでは・・・と思いますよね。
厚生労働省の見解
牛・豚のレバーや豚肉を原料として調理する場合は、中心部まで十分に加熱しなければなりません。(中心部の温度が63℃で30分以上、または75℃で1分以上など)
厚生労働省HP:食肉販売店用リーフレット
なるほど、日本としての加熱基準は設けてありましたね。
また、食中毒防止の加熱温度、時間は以下の通りです。
「75°C、1 分」と同等な加熱殺菌の条件として、「70°C、3 分」、「69°C、4 分」、 「68°C、5 分」、「67°C、8 分」、「66°C、11 分」、「65°C、15 分」が妥当と考えられます。
厚生労働省HP:食肉の加熱条件に関するQ&A
これなら、時間がない時は高音でサッと仕上げられますね。
日本の基準はわかりましたが、アメリカはどうなのでしょうか。
アメリカの見解
2011年にUSDA(アメリカ農務省)はそれまでひき肉などと同等の約71℃に設定されていた豚かたまり肉の加熱基準を引き下げた。新基準では中心温度を63℃まで到達させて、その後3分のベンチタイムをとればいいということになった。
松浦達也:大人の肉ドリルpp31-32
豚かたまり肉の場合、アメリカの基準は日本とは違って63℃3分なんですね。
まとめ
- 食中毒防止の基本は75℃1分。
- 加熱温度は低い方がジューシー。
- 中心温度63℃30分が美味しく食べられる。
- 豚かたまり肉は中心温度63℃3分でも良い。(アメリカ)